30歳から始める簿記3級!合格までの勉強法と注意点

簿記3級:給与計算の仕訳を徹底解説!

「給与計算の仕訳って、なんだか難しそう…」

簿記3級の勉強をしていると、必ずと言っていいほどぶつかるのが給与計算の仕訳。 勘定科目がたくさん出てきたり、税金や社会保険料の控除があったりと、覚えることが多くて混乱してしまいますよね。

でも大丈夫!この記事では、給与計算の仕訳について、簿記初心者さんでもわかりやすいように徹底的に解説します。 給与計算の基本的な流れから、具体的な仕訳方法、よくある間違いまで、この記事を読めば給与計算の仕訳がスッキリ理解できるようになりますよ!

なぜ給与計算の仕訳が必要なの?

そもそも、なぜ給与計算の仕訳が必要なのでしょうか?

会社は従業員に給与を支払う際、給与の総額だけでなく、所得税や住民税、社会保険料などを控除する必要があります。 これらの控除額や、会社が負担する社会保険料などを正確に記録し、財務諸表に反映させるために、給与計算の仕訳が必要となるのです。

給与計算の仕訳を正しく行うことで、会社の財務状況を正確に把握できるだけでなく、税務申告をスムーズに行うことができます。

給与計算の基本的な流れ

給与計算の仕訳を理解するために、まずは給与計算の基本的な流れを見ていきましょう。

1. 勤怠データの集計: 従業員の出勤日数、労働時間、残業時間などを集計します。
2. 給与の計算: 基本給に残業代や手当などを加え、総支給額を計算します。
3. 控除額の計算: 所得税、住民税、社会保険料などの控除額を計算します。
4. 差引支給額の計算: 総支給額から控除額を差し引き、実際に従業員に支払う金額を計算します。
5. 仕訳の作成: 給与の支給額、控除額、会社負担の社会保険料などを仕訳として記録します。
6. 給与の支払い: 従業員に給与を支払います。

給与計算の仕訳で使う主な勘定科目

給与計算の仕訳では、様々な勘定科目を使用します。 主な勘定科目は以下の通りです。

  • 給料: 従業員に支払う基本給
  • 給与手当: 残業代、通勤手当、住宅手当など
  • 法定福利費: 会社が負担する社会保険料
  • 預り金: 従業員から預かる所得税、住民税、社会保険料
  • 現金: 実際に支払う給与
  • 普通預金: 銀行口座から支払う給与
  • 給与計算の仕訳:具体的な手順と勘定科目

    それでは、具体的な仕訳の手順と勘定科目を見ていきましょう。

    給与の支払い時の仕訳(給与・預金)

    給与を支払った時の仕訳は、以下のようになります。

    (借方)給料  ×××

    (借方)給与手当 ×××

    (貸方)預り金  ×××

    (貸方)普通預金 ×××

  • 給料: 基本給を記載します。
  • 給与手当: 残業代や通勤手当などを記載します。
  • 預り金: 従業員から預かった所得税、住民税、社会保険料などを合計した金額を記載します。
  • 普通預金: 実際に従業員の口座に振り込んだ金額を記載します。
  • 源泉所得税の仕訳(預り金)

    従業員から預かった源泉所得税は、以下の仕訳で処理します。

    (借方)預り金 ×××

    (貸方)現金  ×××

    または

    (借方)預り金 ×××

    (貸方)普通預金 ×××

  • 預り金: 従業員から預かった源泉所得税の金額を記載します。
  • 現金/普通預金: 税務署に納付した源泉所得税の金額を記載します。
  • 住民税の仕訳(預り金)

    従業員から預かった住民税も、源泉所得税と同様に以下の仕訳で処理します。

    (借方)預り金 ×××

    (貸方)現金  ×××

    または

    (借方)預り金 ×××

    (貸方)普通預金 ×××

  • 預り金: 従業員から預かった住民税の金額を記載します。
  • 現金/普通預金: 地方自治体に納付した住民税の金額を記載します。
  • 社会保険料の仕訳(預り金)

    従業員から預かった社会保険料も、以下の仕訳で処理します。

    (借方)預り金 ×××

    (貸方)現金  ×××

    または

    (借方)預り金 ×××

    (貸方)普通預金 ×××

  • 預り金: 従業員から預かった社会保険料の金額を記載します。
  • 現金/普通預金: 社会保険事務所に納付した社会保険料の金額を記載します。
  • 通勤手当の仕訳(旅費交通費)

    通勤手当は、以下の仕訳で処理します。

    (借方)旅費交通費 ×××

    (貸方)普通預金  ×××

  • 旅費交通費: 従業員に支給した通勤手当の金額を記載します。
  • 普通預金: 従業員の口座に振り込んだ通勤手当の金額を記載します。
  • 給与計算の仕訳:控除項目の処理

    給与計算では、様々な項目が控除されます。 主な控除項目と仕訳方法を見ていきましょう。

    社会保険料(健康保険、厚生年金保険、雇用保険)の仕訳

    社会保険料は、従業員負担分と会社負担分があります。

  • 従業員負担分: 給与から控除し、預り金として処理します。(上記参照)
  • 会社負担分: 法定福利費として処理します。
  • (借方)法定福利費 ×××

    (貸方)現金  ×××

    または

    (借方)法定福利費 ×××

    (貸方)普通預金 ×××

  • 法定福利費: 会社が負担する社会保険料の金額を記載します。
  • 現金/普通預金: 社会保険事務所に納付した社会保険料の金額を記載します。
  • 源泉所得税の仕訳

    源泉所得税は、給与から控除し、預り金として処理します。(上記参照)

    住民税の仕訳

    住民税は、給与から控除し、預り金として処理します。(上記参照)

    その他の控除項目(財形貯蓄、組合費など)の仕訳

    その他の控除項目も、給与から控除し、預り金として処理します。

    (借方)預り金 ×××

    (貸方)現金  ×××

    または

    (借方)預り金 ×××

    (貸方)普通預金 ×××

  • 預り金: 従業員から預かった財形貯蓄、組合費などの金額を記載します。
  • 現金/普通預金: 財形貯蓄、組合などに支払った金額を記載します。
  • 給与計算の仕訳:賞与の仕訳

    賞与の仕訳は、給与の仕訳とほぼ同じです。

    賞与の支払い時の仕訳

    (借方)賞与  ×××

    (貸方)預り金  ×××

    (貸方)普通預金 ×××

  • 賞与: 従業員に支払う賞与の金額を記載します。
  • 預り金: 従業員から預かった所得税、社会保険料などを合計した金額を記載します。
  • 普通預金: 実際に従業員の口座に振り込んだ金額を記載します。
  • 賞与にかかる社会保険料の仕訳

  • 従業員負担分: 給与から控除し、預り金として処理します。(上記参照)
  • 会社負担分: 法定福利費として処理します。(上記参照)
  • 賞与にかかる源泉所得税の仕訳

    源泉所得税は、賞与から控除し、預り金として処理します。(上記参照)

    給与計算の仕訳:例題で理解を深める

    それでは、例題を通して理解を深めていきましょう。

    例題1:基本給と残業代の仕訳

    A社は、従業員Bさんに基本給20万円、残業代3万円を支払いました。 所得税、住民税、社会保険料の合計額は5万円です。

    (借方)給料  200,000

    (借方)給与手当 30,000

    (貸方)預り金  50,000

    (貸方)普通預金 180,000

    例題2:社会保険料と源泉所得税の仕訳

    A社は、社会保険料(会社負担分)3万円、源泉所得税5万円を現金で納付しました。

    (借方)法定福利費 30,000

    (貸方)現金  30,000

    (借方)預り金  50,000

    (貸方)現金  50,000

    例題3:賞与の仕訳

    A社は、従業員Bさんに賞与50万円を支払いました。 所得税、社会保険料の合計額は10万円です。

    (借方)賞与  500,000

    (貸方)預り金  100,000

    (貸方)普通預金 400,000

    給与計算の仕訳:よくある間違いと注意点

    給与計算の仕訳でよくある間違いと注意点を見ていきましょう。

    勘定科目の選択ミス

    勘定科目の選択ミスは、給与計算の仕訳で最もよくある間違いの一つです。 例えば、通勤手当を給与手当として処理したり、社会保険料を福利厚生費として処理したりするケースが見られます。

    勘定科目の意味をしっかりと理解し、適切な勘定科目を選択するようにしましょう。

    計算ミス

    計算ミスも、給与計算の仕訳でよくある間違いです。 特に、社会保険料や所得税の計算は複雑なので、注意が必要です。

    計算ミスを防ぐためには、電卓を有効活用したり、計算結果を複数回確認したりすることが重要です。

    仕訳のタイミング

    仕訳のタイミングも、給与計算の仕訳で注意すべき点です。 給与を支払った日、社会保険料を納付した日など、適切なタイミングで仕訳を行うようにしましょう。

    給与計算の仕訳:効率的な学習方法とおすすめ教材

    給与計算の仕訳を効率的に学習するためには、以下の方法がおすすめです。

  • 簿記3級のテキストと問題集: 市販のテキストや問題集を活用し、基礎知識を習得しましょう。
  • オンライン講座: オンライン講座では、動画でわかりやすく解説してくれるので、理解が深まります。
  • 過去問: 過去問を解くことで、試験の傾向や対策を立てることができます。
  • 給与計算の仕訳:実務での活用とステップアップ

    簿記3級で学んだ給与計算の仕訳は、実務でどのように役立つのでしょうか?

    経理担当者として、給与計算、社会保険手続き、年末調整などの業務を行う際に、簿記3級で学んだ知識が活きてきます。

    さらにステップアップを目指すなら、簿記2級の取得を検討してみましょう。 簿記2級では、より高度な会計処理や税務知識を学ぶことができます。

    補足情報:読者からの反論、質問を想定して、ここで回答する

    Q: 給与計算の仕訳は難しいですか?

    A: 確かに、給与計算の仕訳は勘定科目が多かったり、税金や社会保険料の計算が必要だったりと、最初は難しく感じるかもしれません。 しかし、基本的な流れを理解し、一つ一つ丁寧に仕訳を行えば、必ず理解できるようになります。

    Q: 給与計算の仕訳を間違えた場合はどうすればいいですか?

    A: 仕訳を間違えた場合は、修正仕訳を行います。 例えば、給与を過大に計上してしまった場合は、減額する仕訳を行います。 修正仕訳の方法は、簿記のテキストや参考書に詳しく解説されていますので、参考にしてください。

    Q: 給与計算期間はどうなる?

    A: 給与計算期間は会社によって異なりますが、一般的には当月の1日から末日までを計算期間とし、翌月に給与を支払うことが多いです。

    まとめ

    この記事では、簿記3級の試験範囲である給与計算の仕訳について、徹底的に解説しました。

    給与計算の仕訳は、一見難しそうに見えますが、基本的な流れを理解し、一つ一つ丁寧に仕訳を行えば、必ず理解できるようになります。

    この記事を参考にして、給与計算の仕訳をマスターし、簿記3級の合格を目指しましょう!