副業・兼業規程!作成のポイントと注意点【企業向け】
「従業員の自主性を尊重したいけど、副業を認めるとなると、何から決めていいかわからない…」
人事担当者の皆さん、そんなお悩みありませんか?
従業員の副業・兼業を認めることは、優秀な人材の確保や従業員のモチベーション向上につながる一方で、企業としては、労働時間管理や情報漏洩など、注意すべき点も多く存在します。
そこで今回は、企業が副業・兼業規程を作成する際のポイントと注意点を、人事担当者の皆さんにわかりやすく解説します!
この記事を読めば、自社に合った副業・兼業規程を作成し、従業員の活躍を支援できるようになります。ぜひ最後まで読んで、御社の副業・兼業制度を成功させましょう!
副業・兼業規程とは?【企業が定める社内ルール】
なぜ副業・兼業規程が必要なのか?
副業・兼業規程とは、従業員が本業以外に別の仕事を持つことを企業が認めるにあたって、社内ルールを明確にするものです。
近年、働き方の多様化や個人のキャリア形成への意識の高まりから、副業・兼業を希望する従業員が増加しています。
企業が副業・兼業を認める場合、労働時間管理や競業避止義務、情報漏洩対策など、様々なリスクを考慮する必要があります。
副業・兼業規程を定めることで、これらのリスクを管理し、従業員が安心して副業・兼業に取り組める環境を整備することができます。
また、副業・兼業を希望する従業員だけでなく、企業にとっても以下のようなメリットがあります。
副業・兼業を許可するメリット・デメリット
副業・兼業を許可することには、企業と従業員それぞれにメリットとデメリットが存在します。
企業側のメリット
企業側のデメリット
従業員側のメリット
従業員側のデメリット
副業・兼業に関する法規制
副業・兼業は、労働基準法や労働契約法などの法律によって規制されています。
労働基準法
労働基準法では、労働時間や休憩、休日などについて定められています。副業・兼業を行う場合、これらの規定を遵守する必要があります。
特に、労働時間については、本業と副業の労働時間を合算して管理する必要があります。
労働契約法
労働契約法では、労働契約の内容や解雇などについて定められています。
企業が副業・兼業を禁止する場合、労働契約や就業規則にその旨を明記する必要があります。
ただし、副業・兼業を全面的に禁止することは、従業員の権利を侵害する可能性があるため、合理的な理由が必要です。
その他
その他、企業によっては、就業規則や服務規程などで副業・兼業に関する規定を設けている場合があります。
従業員は、これらの規定を遵守する必要があります。
副業・兼業規程の作成ポイント【盛り込むべき項目】
副業・兼業規程を作成する際には、以下の項目を盛り込むことが重要です。
目的と適用範囲
規程の目的を明確に記載することで、規程の解釈や運用に関する誤解を防ぐことができます。
例えば、「従業員の多様な働き方を支援し、自己実現を促進するとともに、企業の持続的な成長に貢献することを目的とする」といった内容を記載します。
また、規程の適用範囲を明確にすることで、誰が規程の対象となるのかを明確にすることができます。
例えば、「正社員、契約社員、パート社員など、すべての従業員に適用する」といった内容を記載します。
許可・禁止事項
副業・兼業を許可する範囲と、禁止する範囲を明確に定めることが重要です。
許可する範囲
禁止する範囲
労働時間管理と健康管理
副業・兼業を行う従業員の労働時間管理と健康管理は、企業にとって重要な課題です。
労働時間管理
本業と副業の労働時間を合算して管理し、労働基準法に違反しないようにする必要があります。
そのため、従業員には、副業の労働時間を企業に申告する義務を課す必要があります。
また、企業は、従業員の労働時間を適切に管理するために、勤怠管理システムなどを導入することも検討しましょう。
健康管理
副業によって従業員の疲労が蓄積し、健康を害する可能性があります。
そのため、企業は、従業員の健康状態を定期的に確認し、必要に応じて面談や指導を行う必要があります。
また、従業員自身にも、健康管理に努めるように啓発する必要があります。
副業・兼業規程の注意点【法的なリスクと対策】
副業・兼業規程を作成する際には、以下の法的なリスクと対策について注意する必要があります。
競業避止義務との関係
競業避止義務とは、従業員が在職中に、または退職後に、競業となる行為を行うことを禁止する義務です。
副業・兼業を行う場合、従業員が競業避止義務に違反するリスクがあります。
そのため、副業・兼業規程には、競業避止義務に関する条項を明確に記載する必要があります。
具体的には、以下の内容を盛り込むことが考えられます。
情報漏洩対策
副業・兼業を行う従業員が、企業の機密情報を漏洩するリスクがあります。
そのため、副業・兼業規程には、情報漏洩対策に関する条項を明確に記載する必要があります。
具体的には、以下の内容を盛り込むことが考えられます。
ハラスメント対策
副業・兼業を行う従業員が、ハラスメントの被害に遭う、または加害者となるリスクがあります。
そのため、副業・兼業規程には、ハラスメント対策に関する条項を明確に記載する必要があります。
具体的には、以下の内容を盛り込むことが考えられます。
副業・兼業規程の作成手順【サンプル・テンプレート活用】
規程作成の流れ
副業・兼業規程を作成する際には、以下の流れで進めることが一般的です。
1. 現状分析: 自社の業種や規模、従業員のニーズなどを考慮し、副業・兼業に関する現状を分析します。
2. 基本方針の決定: 副業・兼業を許可する範囲や条件、禁止事項などを決定します。
3. 規程案の作成: 基本方針に基づいて、規程案を作成します。
4. 関係部署との協議: 法務部や人事部など、関係部署と協議し、規程案の内容を調整します。
5. 従業員への説明: 従業員に規程の内容を説明し、意見を収集します。
6. 規程の確定: 従業員の意見を踏まえ、規程を確定します。
7. 規程の周知: 従業員に規程の内容を周知します。
8. 規程の運用: 規程を運用し、必要に応じて見直しを行います。
サンプル・テンプレートの紹介
副業・兼業規程を作成する際には、厚生労働省や各種団体のウェブサイトで公開されているサンプルやテンプレートを活用することができます。
これらのサンプルやテンプレートは、規程の基本的な構成や条項を理解する上で役立ちます。
ただし、サンプルやテンプレートはあくまで参考として、自社の状況に合わせて内容を修正する必要があります。
従業員とのコミュニケーション
副業・兼業規程を作成する際には、従業員とのコミュニケーションを密にすることが重要です。
従業員のニーズや意見を収集し、規程に反映させることで、従業員の納得感を得ることができます。
また、規程の内容を従業員に丁寧に説明し、理解を深めることで、規程の円滑な運用につながります。
副業・兼業に関するトラブル事例と対策【未然防止のために】
労働時間に関するトラブル
事例: 従業員が副業に時間を費やしすぎたため、本業に支障をきたした。
対策: 副業の労働時間を企業に申告する義務を課し、本業に支障をきたさない範囲で副業を行うように指導する。
情報漏洩に関するトラブル
事例: 従業員が副業先で企業の機密情報を漏洩した。
対策: 機密情報の定義を明確にし、機密情報の取り扱いに関するルールを徹底する。
ハラスメントに関するトラブル
事例: 従業員が副業先でハラスメントの被害に遭った。
対策: ハラスメントに関する相談窓口を設置し、ハラスメントが発生した場合の措置を明確にする。
まとめ|副業・兼業規程を作成して、従業員の活躍を支援しましょう!【最新の法改正情報を常にチェック】
本記事のポイントまとめ
副業・兼業に関する相談窓口
副業・兼業に関する疑問や不安がある場合は、以下の相談窓口に相談することができます。
副業・兼業規程を作成し、従業員の多様な働き方を支援することで、企業の成長につなげましょう!