導入部
簿記3級の試験勉強、お疲れ様です！
「売買目的有価証券って何？」
「仕訳がややこしくて、どうも苦手…」
そんな風に思っていませんか？
売買目的有価証券は、簿記3級の試験で頻出の重要テーマです。
でも、基礎をしっかり理解すれば、決して難しいものではありません。
この記事では、売買目的有価証券の定義から仕訳、評価方法まで、簿記3級合格に必要な知識をわかりやすく解説します。
具体的な例や計算方法も載せているので、初心者の方でも安心して読み進められますよ。
この記事を読めば、売買目的有価証券の仕訳と評価方法をマスターし、試験で確実に得点できるようになります！
さあ、一緒に売買目的有価証券を攻略しましょう！
売買目的有価証券とは？簿記3級で知っておくべき基礎知識
売買目的有価証券の定義：短期的な価格変動を利用する
売買目的有価証券とは、短期的な価格変動を利用して利益を得ることを目的として保有する有価証券のことです。
具体的には、株式や債券などが該当します。
「短期的な価格変動を利用する」というのがポイントで、数日から数ヶ月程度の短い期間で売買することを想定しています。
なぜ売買目的有価証券という区分があるのか？
企業が保有する有価証券は、その目的によって会計処理が異なります。
売買目的有価証券として区分することで、企業の財務状況をより正確に把握することができるのです。
例えば、満期まで保有するつもりの債券（満期保有目的債券）と、短期的な売買で利益を得るつもりの債券（売買目的有価証券）では、リスクや期待収益が大きく異なりますよね。
それぞれの性質に合わせて会計処理を行うことで、投資家や債権者が企業の経営状況を適切に判断できるようになります。
他の有価証券との違い（満期保有目的債券、子会社株式など）
有価証券の種類は様々ですが、代表的なものとして以下のものがあります。
これらの有価証券と売買目的有価証券との大きな違いは、保有目的と会計処理です。
売買目的有価証券は、短期的な売買によって利益を得ることを目的とするため、時価評価を行い、評価損益を損益計算書に計上します。
一方、満期保有目的債券は、満期まで保有することを前提とするため、償却原価法に基づいて評価します。子会社株式は、原則として取得原価で評価します。
売買目的有価証券の仕訳：取得、期末評価、売却を徹底解説
取得時の仕訳：購入手数料の処理も解説
売買目的有価証券を取得した場合は、以下の仕訳を行います。
(借方) 売買目的有価証券 ××× / (貸方) 現金預金 ×××
例えば、A株式会社の株式100株を1株1,000円で購入し、購入手数料として5,000円を支払った場合、仕訳は以下のようになります。
(借方) 売買目的有価証券 105,000 / (貸方) 現金預金 105,000
ポイントは、購入手数料も売買目的有価証券の取得原価に含めるという点です。
期末評価の仕訳：評価損益の計算方法と勘定科目
期末には、売買目的有価証券を時価評価します。
時価が取得原価よりも上がった場合は評価益、下がった場合は評価損を計上します。
(借方) 売買目的有価証券 ××× / (貸方) 売買目的有価証券評価益 ×××
(借方) 売買目的有価証券評価損 ××× / (貸方) 売買目的有価証券 ×××
例えば、期末にA株式会社の株式の時価が1株1,200円になった場合、評価益は20,000円（(1,200円 – 1,000円) × 100株）となります。
仕訳は以下のようになります。
(借方) 売買目的有価証券 20,000 / (貸方) 売買目的有価証券評価益 20,000
ポイントは、売買目的有価証券評価益は営業外収益、売買目的有価証券評価損は営業外費用として損益計算書に計上されるという点です。
売却時の仕訳：売却損益の計算方法
売買目的有価証券を売却した場合は、以下の仕訳を行います。
(借方) 現金預金 ××× / (貸方) 売買目的有価証券 ×××
(借方) 売買目的有価証券売却損 / (貸方) 売買目的有価証券売却益 ×××
売却価額が売買目的有価証券の帳簿価額（取得原価＋評価益－評価損）よりも高ければ売却益、低ければ売却損を計上します。
例えば、A株式会社の株式100株を1株1,300円で売却した場合、売却益は15,000円（130,000円 – 115,000円）となります。
仕訳は以下のようになります。
(借方) 現金預金 130,000 / (貸方) 売買目的有価証券 115,000
(借方) / (貸方) 売買目的有価証券売却益 15,000
ポイントは、売買目的有価証券売却益は営業外収益、売買目的有価証券売却損は営業外費用として損益計算書に計上されるという点です。
仕訳例：具体的な金額を用いた例題
以下の取引について、仕訳を示してください。
1. X1年4月1日、B株式会社の株式100株を1株800円で購入し、購入手数料4,000円を現金で支払った。
2. X1年12月31日、B株式会社の株式の時価は1株900円であった。
3. X2年3月31日、B株式会社の株式100株を1株950円で売却し、代金は現金で受け取った。
解答
1. X1年4月1日
(借方) 売買目的有価証券 84,000 / (貸方) 現金預金 84,000
2. X1年12月31日
(借方) 売買目的有価証券 10,000 / (貸方) 売買目的有価証券評価益 10,000
(90,000 – 80,000 = 10,000)
3. X2年3月31日
(借方) 現金預金 95,000 / (貸方) 売買目的有価証券 94,000
(借方) / (貸方) 売買目的有価証券売却益 1,000
売買目的有価証券の評価方法：簿記3級で押さえるべきポイント
期末評価の基準：時価主義とは？
売買目的有価証券の期末評価は、時価主義に基づいて行われます。
時価主義とは、資産や負債を、その時点での市場価格（時価）で評価する方法です。
売買目的有価証券は、短期的な価格変動を利用して利益を得ることを目的とするため、期末時点での時価を把握することが重要になります。
評価損益の計算例：具体例で理解を深める
例えば、取得原価100,000円の売買目的有価証券の期末時点での時価が120,000円だった場合、評価益は20,000円となります。
一方、時価が80,000円だった場合、評価損は20,000円となります。
このように、時価と取得原価の差額が評価損益となります。
評価損益の会計処理：損益計算書への影響
売買目的有価証券の評価損益は、損益計算書に計上されます。
評価益は営業外収益、評価損は営業外費用として計上され、当期の利益に影響を与えます。
例えば、評価益が20,000円計上された場合、当期の税引前利益は20,000円増加します。
簿記3級試験対策：売買目的有価証券の重要性と対策
試験での出題頻度と配点
売買目的有価証券は、簿記3級の試験で頻出のテーマです。
特に、仕訳問題や計算問題で出題されることが多く、配点も高めです。
過去問を分析すると、ほぼ毎回出題されていると言っても過言ではありません。
しっかりと対策しておきましょう。
間違えやすいポイントと対策
売買目的有価証券で間違えやすいポイントは、以下の点です。
これらのポイントを意識して、問題を解く練習を繰り返すことが大切です。
過去問から学ぶ：売買目的有価証券の出題例
過去問を解くことは、試験対策として非常に有効です。
過去問を解くことで、出題傾向や難易度を把握することができます。
また、自分の苦手な部分を特定し、集中的に学習することができます。
積極的に過去問に取り組みましょう。
売買目的有価証券の仕訳をマスターするための学習方法
仕訳のパターンを覚える：効率的な暗記法
売買目的有価証券の仕訳は、ある程度パターンが決まっています。
仕訳のパターンを覚えることで、問題をスムーズに解くことができるようになります。
仕訳のパターンを覚えるためには、以下の方法が有効です。
問題集を活用する：反復練習で定着
問題集を活用して、反復練習を行うことも大切です。
問題を解くことで、知識が定着し、応用力も身につきます。
問題集は、基礎問題から応用問題まで、幅広く取り組むようにしましょう。
また、間違えた問題は、必ず復習するようにしましょう。
参考書やWebサイトを活用する：理解を深める
参考書やWebサイトを活用して、理解を深めることも大切です。
参考書やWebサイトには、売買目的有価証券に関する詳しい解説や例題が掲載されています。
参考書やWebサイトを参考に、理解を深め、知識を広げましょう。
ただし、情報源の信頼性を確認することも重要です。
補足情報、読者からの反論、質問を想定して、ここで回答する
Q: 売買目的有価証券の評価損益は、税金に影響しますか？
A: はい、影響します。売買目的有価証券の評価益は課税対象となり、評価損は損金として扱われます。ただし、税務上の取扱いは、会計上の処理と異なる場合がありますので、注意が必要です。
Q: 売買目的有価証券の仕訳で、勘定科目を間違えてしまいました。どうすれば良いですか？
A: 勘定科目を間違えた場合は、訂正仕訳を行う必要があります。例えば、売買目的有価証券評価益を売上高として計上してしまった場合は、以下の訂正仕訳を行います。
(借方) 売上高 ××× / (貸方) 売買目的有価証券評価益 ×××
Q: 売買目的有価証券の勉強で、どうしても理解できない部分があります。どうすれば良いですか？
A: まずは、参考書やWebサイトで再度確認してみましょう。それでも理解できない場合は、簿記の先生や詳しい人に質問してみるのがおすすめです。また、簿記の勉強会に参加するのも良いでしょう。
まとめ：売買目的有価証券の仕訳と評価方法を完全攻略
この記事のポイントをおさらい
この記事では、売買目的有価証券の定義、仕訳、評価方法について解説しました。
重要なポイントは以下の通りです。
次のステップ：簿記3級合格に向けて
この記事を読んだあなたは、売買目的有価証券の基礎知識をしっかりと身につけることができました。
次のステップは、問題集や過去問を解いて、実践的なスキルを磨くことです。
頑張って簿記3級合格を目指してください！応援しています！
