簿記 損益分岐点とは?計算方法と経営への活用
「損益分岐点って、なんだか難しそう…」って思っていませんか? 簿記を勉強している人や、会社を経営している人にとって、損益分岐点はとっても大事な考え方なんです。
この記事では、損益分岐点について、わかりやすく、そしてフランクに解説していきます。計算方法はもちろん、経営にどう活かせるのかまで、具体例を交えながらご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
損益分岐点って、なに?
一言でいうと、「売上高と費用がちょうど同じになる点」のこと。 つまり、利益も損失も出ない、トントンになる売上高のことなんです。
「ふーん、それで?」って思ったアナタ! 実は、この損益分岐点を知っていると、
「あとどれくらい売れば黒字になるのか?」
「コストをどれくらい下げればいいのか?」
といった、経営判断に役立つ情報がわかるんです。
なぜ損益分岐点が重要なのか?
損益分岐点を把握することは、会社の健康状態を知る上でめちゃくちゃ重要! なぜなら、
目標設定の基準になる
「今月は損益分岐点を超えるぞ!」という目標を立てやすくなります。
価格設定のヒントになる
「この価格で売れば、損益分岐点を超えるには何個売ればいいのか?」がわかります。
コスト削減の目安になる
「固定費をこれだけ削減すれば、損益分岐点が下がる!」という具体的な目標が立てられます。
経営の安定性を測る
損益分岐点が低いほど、ちょっとやそっとの不況にも強い会社だと言えます。
つまり、損益分岐点を知ることは、会社を潰さないための羅針盤を持つようなものなんです。
損益分岐点の計算方法をマスターしよう!
損益分岐点の計算は、ちょっとだけ数式を使いますが、難しくありません。 一緒に見ていきましょう!
計算に必要な要素は3つ!
損益分岐点を計算するには、以下の3つの要素が必要です。
1. 固定費
2. 変動費
3. 売上高
固定費ってなに?
売上の増減に関わらず、毎月必ずかかる費用のこと。
家賃
従業員の給料
減価償却費
保険料
などが当てはまります。
変動費ってなに?
売上の増減に比例して増えたり減ったりする費用のこと。
商品の仕入れ代金
材料費
販売手数料
商品の配送料
などが当てはまります。
いよいよ計算! 損益分岐点売上高を求めてみよう
損益分岐点売上高は、以下の計算式で求めます。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 – 変動費率)
変動費率ってなに?
変動費率は、売上高に対する変動費の割合のこと。
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高
で計算できます。
具体例で計算してみよう!
例えば、
固定費:500万円
変動費:売上高の60%
売上高:1000万円
という会社があったとします。
1. まず、変動費率を計算します。
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高 = 600万円 ÷ 1000万円 = 0.6
2. 次に、損益分岐点売上高を計算します。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 – 変動費率) = 500万円 ÷ (1 – 0.6) = 1250万円
この場合、損益分岐点売上高は1250万円となります。 つまり、1250万円以上売り上げないと、赤字になってしまうということです。
損益分岐点販売量を求めてみよう
「売上高じゃなくて、何個売ればいいか知りたい!」という場合は、損益分岐点販売量を計算します。
損益分岐点販売量 = 固定費 ÷ (販売単価 – 変動費単価)
販売単価と変動費単価ってなに?
販売単価:商品を1つ売るときの値段
変動費単価:商品を1つ作る(仕入れる)のにかかる費用
のことです。
具体例で計算してみよう!
例えば、
固定費:500万円
販売単価:1個5万円
変動費単価:1個3万円
という会社があったとします。
損益分岐点販売量 = 固定費 ÷ (販売単価 – 変動費単価) = 500万円 ÷ (5万円 – 3万円) = 250個
この場合、損益分岐点販売量は250個となります。 つまり、250個以上売らないと、赤字になってしまうということです。
損益分岐点を経営に活かす方法
損益分岐点を計算できるようになったら、次はそれを経営に活かしましょう!
損益分岐点を下げるには?
損益分岐点を下げることは、会社の収益性を高めることにつながります。 損益分岐点を下げるには、以下の3つの方法があります。
1. 固定費を削減する
2. 変動費を削減する
3. 販売単価を上げる
1.固定費を削減する
無駄な経費を削減する
オフィスの家賃、光熱費、通信費などを見直しましょう。
業務を効率化する
事務作業を自動化したり、クラウドサービスを導入したりすることで、人件費を削減できます。
アウトソーシングを活用する
自社で行う必要のない業務は、外部に委託することで、コストを削減できます。
2.変動費を削減する
仕入れ先を見直す
より安い価格で仕入れられる業者を探しましょう。
大量仕入れで単価を下げる
一度に大量に仕入れることで、仕入れ単価を下げることができます。
原材料の無駄をなくす
製造工程を見直し、不良品を減らすことで、原材料の無駄をなくすことができます。
3.販売単価を上げる
商品の価値を高める
商品の品質を向上させたり、付加価値をつけたりすることで、高い価格で販売できます。
ブランド力を高める
広告宣伝やPR活動を行い、ブランドイメージを高めることで、高い価格でも売れるようになります。
ターゲット層を変える
より高所得者層をターゲットにすることで、高い価格で販売できます。
損益分岐点分析を経営判断にどう活かす?
損益分岐点分析は、様々な経営判断に役立ちます。
新商品の価格設定
損益分岐点を考慮して、利益が出る価格を設定することができます。
設備投資の判断
設備投資によって固定費が増加する場合、損益分岐点がどう変化するかを予測し、投資の是非を判断することができます。
事業計画の策定
損益分岐点を目標として、売上目標やコスト削減目標を設定することができます。
経営戦略の立案
損益分岐点を分析することで、自社の強みや弱みを把握し、効果的な経営戦略を立案することができます。
具体的な活用事例
カフェの場合
家賃や人件費などの固定費、コーヒー豆や牛乳などの変動費を把握し、損益分岐点を計算します。
損益分岐点を下げるために、メニューの価格を見直したり、アルバイトのシフトを調整したりします。
新メニューを開発する際には、損益分岐点を考慮して、価格を設定します。
アパレルショップの場合
店舗の家賃や従業員の給料などの固定費、商品の仕入れ代金などの変動費を把握し、損益分岐点を計算します。
損益分岐点を下げるために、仕入れ先を見直したり、セールを開催したりします。
新しい商品を仕入れる際には、損益分岐点を考慮して、仕入れ量を決定します。
損益分岐点分析の注意点
損益分岐点分析は便利なツールですが、注意点もあります。
費用の分類は難しい
固定費と変動費の区別が曖昧な費用もあります。
例えば、水道光熱費は、売上によって変動する部分と、固定的にかかる部分があります。
市場環境は常に変化する
競合他社の参入や、消費者のニーズの変化など、市場環境は常に変化します。
そのため、損益分岐点も定期的に見直す必要があります。
将来予測は不確実
売上高や費用を予測する際には、様々な仮定を置く必要があります。
しかし、将来のことは誰にもわからないため、予測が外れることもあります。
損益分岐点に関するQ&A
Q1. 損益分岐点と安全余裕率って何が違うの?
A. 損益分岐点は「トントンになる売上高」ですが、安全余裕率は「現在の売上高が、損益分岐点をどれだけ上回っているか」を示す指標です。 安全余裕率が高いほど、経営は安定していると言えます。
Q2. 損益分岐点を改善するための具体的な施策は?
A. 上で説明した「固定費の削減」「変動費の削減」「販売単価の向上」に加えて、
商品のラインナップを見直す
売れ筋商品に注力し、死に筋商品を整理することで、効率的な経営ができます。
販売チャネルを多様化する
実店舗だけでなく、オンラインショップやSNSなどを活用することで、売上を拡大できます。
顧客満足度を高める
顧客満足度を高めることで、リピーターを増やし、安定的な売上を確保できます。
といった施策も有効です。
まとめ:損益分岐点を理解して、経営の舵取りを!
損益分岐点は、経営の羅針盤となる、とっても重要な考え方です。 計算方法をマスターし、経営に活かすことで、あなたの会社はもっともっと成長できるはず!
本記事のポイント
損益分岐点とは、売上高と費用がちょうど同じになる点のこと
損益分岐点を計算することで、経営判断に役立つ情報が得られる
損益分岐点を下げるには、「固定費の削減」「変動費の削減」「販売単価の向上」が有効
損益分岐点分析は、様々な経営判断に活用できる
損益分岐点分析を行う際には、費用の分類や市場環境の変化などに注意する必要がある
今後のステップ
まずは、自社の損益分岐点を計算してみましょう。
損益分岐点を下げるための具体的な施策を検討してみましょう。
損益分岐点分析を定期的に行い、経営状況を把握しましょう。
関連情報へのリンク
中小企業庁:経営改善計画策定支援

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kaizen/index.html
(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kaizen/index.html)
freee:損益分岐点とは?計算方法や分析方法、経営改善への活用方法をわかりやすく解説

https://www.freee.co.jp/kb/kb-bep/
(https://www.freee.co.jp/kb/kb-bep/)
この記事が、あなたの経営のお役に立てれば嬉しいです! 頑張ってくださいね!