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簿記3級:評価替えとは?有価証券の評価方法を解説
簿記3級の学習を始めたばかりの皆さん、こんにちは! 今回は、簿記の学習を進めていく上で避けて通れない「評価替え」について、わかりやすく解説していきます。
「評価替え」ってなんだか難しそう…と感じている方もいるかもしれませんが、ご安心ください。この記事では、評価替えの基本的な概念から、有価証券の評価方法、具体的な仕訳例まで、簿記3級の範囲内で丁寧に解説していきます。
この記事を読めば、評価替えの仕組みが理解でき、日々の学習や実務に役立てることができるはずです。それでは、一緒に評価替えの世界をのぞいてみましょう!
評価替えとは?その定義と目的
評価替えとは、簡単に言うと、資産の価値を会計帳簿上で見直すことです。企業が保有する資産の価値は、時間の経過や市場の変化によって変動します。そのため、定期的に資産の価値を再評価し、帳簿上の金額を現在の価値に合わせる必要があります。
評価替えを行う主な目的は以下の通りです。
評価替えの対象となる資産:有価証券とは?
評価替えの対象となる資産は様々ですが、簿記3級で特に重要なのは有価証券です。
有価証券とは、財産的な価値を表彰する証券のことで、代表的なものとしては株式や債券などがあります。これらの有価証券は、市場の状況によって価格が変動するため、定期的に評価替えを行う必要があります。
有価証券の種類:株式、債券、投資信託など
有価証券には様々な種類がありますが、簿記3級でよく出てくるのは以下のものです。
評価替えが必要な理由:適正な財産評価
有価証券の価格は常に変動しています。例えば、購入した株式の価格が上昇することもあれば、下落することもあります。
もし、購入時の価格のまま帳簿に記載し続けていると、企業の財産状況を正しく表すことができません。
そのため、有価証券の価格変動を反映させるために、評価替えが必要となるのです。
有価証券の評価方法:簿記3級で学ぶ評価方法
有価証券の評価方法には、主に原価法と時価法があります。
原価法:取得原価で評価する方法
原価法とは、有価証券を取得した際の価格(取得原価)で評価する方法です。
簿記3級では、原則としてこの原価法を学びます。原価法では、基本的に評価替えは行いません。
ただし、例外として、満期保有目的の債券については、取得原価と償還金額との差額を、償却原価法に基づいて評価替えを行う場合があります。
時価法:時価で評価する方法
時価法とは、有価証券の現在の市場価格(時価)で評価する方法です。
時価法は、より企業の財産状況を正確に表すことができますが、計算が複雑になるため、簿記3級では原則として学びません。
簿記3級ではどの評価方法を学ぶ?:基本は原価法
簿記3級では、有価証券の評価方法として、原則として原価法を学びます。
つまり、購入した時の価格で評価し続けるということです。
ただし、先ほども触れたように、満期保有目的の債券については、償却原価法による評価替えを行う場合があります。
洗替法と切放法:評価方法の選択
簿記2級以上で学習する内容になりますが、参考情報として洗替法と切放方について解説します。
洗替法
切放法
有価証券の評価替えの仕訳:簿記3級で必須の会計処理
簿記3級では、原則として原価法を用いるため、有価証券の評価替えの仕訳は基本的に行いません。
しかし、満期保有目的の債券については、償却原価法による評価替えの仕訳を行う必要があります。
評価替えの仕訳の基本:評価損益の計上
償却原価法では、取得原価と償還金額との差額を、満期までの期間にわたって少しずつ費用または収益として計上します。
この費用または収益を計上する際に、評価替えの仕訳が必要となります。
具体的な仕訳例:株式の評価替え
例えば、満期保有目的の債券を100円で購入し、償還金額が110円の場合、10円の差額を満期までの期間にわたって少しずつ収益として計上します。
この場合、毎期末に以下の仕訳を行います。
(借方)有価証券 1円
(貸方)有価証券利息 1円
有価証券評価損益の勘定科目:評価益と評価損
有価証券の評価替えによって発生する損益は、以下の勘定科目で処理します。
仕訳の練習問題:理解度をチェック
それでは、ここで簡単な練習問題を解いてみましょう。
問題
A社は、満期保有目的の債券を100円で購入しました。償還金額は110円で、満期までの期間は5年です。毎期末に行う仕訳を示しなさい。
解答
(借方)有価証券 2円
(貸方)有価証券利息 2円
(10円 ÷ 5年 = 2円)
評価替えに関する注意点:簿記3級で押さえておきたいポイント
評価替えは、企業の財務状況を正しく把握するために重要な会計処理です。
簿記3級では、評価替えの基本的な考え方や仕訳の方法を理解しておくことが大切です。
評価替えの頻度:決算時の評価替え
有価証券の評価替えは、原則として決算時に行います。
決算時に、保有する有価証券の価値を見直し、必要に応じて評価替えの仕訳を行います。
評価替えの基準:重要な会計方針
評価替えを行う際には、会計方針を定める必要があります。
会計方針とは、企業が会計処理を行う際のルールや手続きのことです。
評価替えに関する会計方針は、継続して適用することが重要です。
税務上の取り扱い:税効果会計
有価証券の評価替えは、税務上の取り扱いにも影響を与える場合があります。
評価替えによって発生した損益は、税務上の損益と一致しない場合があるため、税効果会計という会計処理が必要となることがあります。
評価替えの誤り:修正方法と注意点
もし、評価替えの仕訳を誤ってしまった場合は、速やかに修正する必要があります。
修正仕訳を行う際には、誤りの内容や金額を正確に把握し、適切な勘定科目を使用して修正することが重要です。
まとめ:簿記3級で評価替えを理解することの重要性
この記事では、簿記3級で学ぶ評価替えについて、基本的な概念から仕訳の方法まで解説しました。
評価替えを理解することのメリット:正確な財務諸表の作成
評価替えを理解することで、企業の財務状況を正確に把握し、信頼性の高い財務諸表を作成することができます。
今後のステップ:簿記2級に向けての学習
簿記3級で評価替えの基礎を学んだら、次は簿記2級に向けて学習を進めていきましょう。
簿記2級では、より高度な評価替えの知識や、その他の会計処理について学ぶことができます。
企業会計の基礎:評価替えの理解
評価替えは、企業会計の基礎となる重要な概念です。
簿記3級でしっかりと理解しておくことで、今後の学習や実務に役立てることができるでしょう。
Q&A:評価替えに関するよくある質問
Q1:評価替えはどのような時に行うのですか?
A:原則として、決算時に行います。
Q2:評価替えの仕訳がよく分かりません。
A:まずは、この記事で解説した基本的な仕訳例を参考に、練習問題を解いてみましょう。もし、それでも分からない場合は、簿記の先生や参考書に質問してみることをおすすめします。
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この記事が、皆さんの簿記学習の一助となれば幸いです。頑張ってください!