簿記DEPとは?減価償却仕訳をわかりやすく図解

DEPは“減価償却費”の略。取得原価×償却率の計算式や仕訳例、定額法と定率法の違い、決算整理仕訳まで図解で学べるので試験対策にも実務確認にも便利です。

簿記のDEPとは?減価償却をわかりやすく解説

簿記を勉強し始めたばかりのあなた、「DEP」って言葉、なんだか難しそうに感じませんか? でも大丈夫! DEPは、簿記の世界ではとっても身近な言葉なんです。この記事では、DEPの意味から減価償却の基本、具体的な計算方法まで、簿記初心者さんにもわかりやすく解説していきます。

「減価償却って、聞いたことはあるけど、イマイチよくわからない…」そんなあなたも、この記事を読めば、減価償却の仕組みを理解し、自信を持って日々の学習に取り組めるようになりますよ!

DEPは減価償却費の略

DEPとは、英語の「Depreciation(ディプリシエーション)」の略で、日本語では「減価償却費」と訳されます。減価償却費とは、建物や機械などの固定資産が、使用によって価値が減っていく分を、費用として計上するためのものです。

減価償却とは?意味と目的

減価償却とは、簡単に言うと「価値が徐々に減っていく資産の購入費用を、その資産が使える期間にわたって、少しずつ費用として計上していく」という会計処理のことです。

例えば、100万円の機械を購入した場合、その機械は数年間使用することができますよね。この100万円を、購入した年に一気に費用として計上するのではなく、機械が使える期間(耐用年数)にわたって、毎年少しずつ費用として計上していくのが減価償却です。

減価償却の目的は、以下の3つが挙げられます。

  • 期間損益の適正化: 資産の価値が減っていく過程を、会計期間ごとに適切に反映させることで、会社の経営成績をより正確に把握することができます。
  • 資産の価値を適切に表示: 貸借対照表に、資産の現在の価値を正しく表示することができます。
  • 税金の適正化: 減価償却費は、税金の計算上、損金として扱われるため、会社の税負担を軽減することができます。
  • 減価償却が必要な理由

    では、なぜ減価償却が必要なのでしょうか? その理由は大きく分けて2つあります。

    1. 費用収益対応の原則

    会計の世界には「費用収益対応の原則」というものがあります。これは、「収益を上げるためにかかった費用は、その収益に対応する期間に計上する」という考え方です。

    例えば、機械を使って製品を製造し、その製品を販売することで収益を得ている場合、機械の購入費用は、その収益に対応する期間(機械が使える期間)にわたって計上するのが適切ですよね。減価償却は、この費用収益対応の原則に基づいて行われます。
    2. 固定資産の価値の減少

    建物や機械などの固定資産は、時間の経過とともに、その価値が徐々に減少していきます。これは、老朽化や陳腐化、技術革新など、さまざまな要因によるものです。

    減価償却は、このような固定資産の価値の減少を、会計上適切に反映させるための手段となります。

    減価償却の計算方法

    減価償却の計算方法には、いくつかの種類があります。ここでは、代表的な2つの方法、「定額法」と「定率法」について解説します。

    定額法とは?計算例

    定額法とは、毎期同じ金額を減価償却費として計上する方法です。計算式は以下のようになります。

    減価償却費 = (取得原価 – 残存価額) / 耐用年数

  • 取得原価: 資産を購入するためにかかった費用(購入代金、設置費用など)
  • 残存価額: 資産が使用済みになった後、売却できると予想される金額(通常は、取得原価の10%とされることが多いですが、税法上の規定により、備忘価額として1円のみ残すこともあります)
  • 耐用年数: 資産が使用できると予想される期間(税法で定められています)
  • 例:

    100万円の機械を購入し、耐用年数が5年、残存価額が10万円の場合の減価償却費を計算してみましょう。

    減価償却費 = (100万円 – 10万円) / 5年 = 18万円

    この場合、毎年18万円ずつ減価償却費として計上することになります。

    定率法とは?計算例

    定率法とは、毎期一定の割合を減価償却費として計上する方法です。計算式は以下のようになります。

    減価償却費 = (取得原価 – 前期までの減価償却累計額) × 定率

  • 取得原価: 資産を購入するためにかかった費用
  • 前期までの減価償却累計額: 前期までに計上した減価償却費の合計額
  • 定率: 税法で定められた割合(耐用年数に応じて異なります)
  • 例:

    100万円の機械を購入し、耐用年数が5年、定率が0.4の場合の減価償却費を計算してみましょう。

  • 1年目の減価償却費 = 100万円 × 0.4 = 40万円
  • 2年目の減価償却費 = (100万円 – 40万円) × 0.4 = 24万円
  • 3年目の減価償却費 = (100万円 – 40万円 – 24万円) × 0.4 = 14.4万円
  • このように、定率法では、初期に多くの減価償却費を計上し、年々その金額が減少していくのが特徴です。

    その他の減価償却方法

    定額法と定率法以外にも、以下のような減価償却方法があります。

  • 生産高比例法: 資産の使用量に応じて減価償却費を計算する方法(主に、鉱業などで使用されます)
  • 級数法: 耐用年数の逆数を足し合わせた数値を分母とする分数を用いて、減価償却費を計算する方法(初期に多くの減価償却費を計上する)
  • 減価償却の仕訳をマスターしよう

    減価償却の仕訳は、直接法と間接法の2つの方法があります。

    直接法による仕訳例

    直接法とは、減価償却費を直接、固定資産の勘定科目から減額する方法です。

    仕訳例:

    機械の減価償却費として18万円を計上した場合

    | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
    | ——– | —— | ——– | —— |
    | 減価償却費 | 18万円 | 機械 | 18万円 |

    間接法による仕訳例

    間接法とは、減価償却費を「減価償却累計額」という勘定科目に計上する方法です。

    仕訳例:

    機械の減価償却費として18万円を計上した場合

    | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
    | ——– | —— | ————– | —— |
    | 減価償却費 | 18万円 | 減価償却累計額 | 18万円 |

    間接法では、貸借対照表に、固定資産の取得原価と減価償却累計額をそれぞれ表示するため、資産の取得から現在までの減価償却の状況を把握しやすいというメリットがあります。

    減価償却に関する勘定科目

    減価償却に関する主な勘定科目は以下の通りです。

  • 減価償却費: 当期の減価償却額を計上する費用科目
  • 減価償却累計額: 過去の減価償却費の累計額を計上する資産の控除科目
  • 補足情報:読者からの反論、質問を想定して

    Q: 減価償却って、税金対策になるって本当?

    A: はい、本当です。減価償却費は、税金の計算上、損金として扱われるため、会社の利益を圧縮し、税負担を軽減することができます。ただし、減価償却はあくまで会計上の処理であり、実際に現金が減るわけではありません。

    Q: 減価償却の方法って、自分で選べるの?

    A: はい、原則として、会社が自由に選択することができます。ただし、一度選択した方法を簡単に変更することはできません。税務署への届け出が必要になる場合もありますので、税理士などの専門家にご相談されることをおすすめします。

    Q: 減価償却の対象となる資産って、どんなものがあるの?

    A: 建物、機械、備品、車両など、時間の経過とともに価値が減少していく固定資産が対象となります。土地や美術品など、価値が減少しないものは、減価償却の対象とはなりません。

    Q: 耐用年数って、どうやって決まるの?

    A: 耐用年数は、税法で定められています。国税庁のホームページなどで確認することができます。

    Q: 減価償却の計算で、小数点以下の端数が出た場合はどうすればいいの?

    A: 減価償却費の計算で、1円未満の端数が出た場合は、切り捨てて計算するのが一般的です。

    まとめ

    この記事では、簿記におけるDEP(減価償却費)の意味から、減価償却の基本、具体的な計算方法、仕訳まで、幅広く解説しました。

    減価償却は、簿記の学習において、避けては通れない重要な概念です。この記事を参考に、減価償却の仕組みをしっかりと理解し、日々の学習に役立ててくださいね。

    さらに深く学びたい方は、税理士や会計士などの専門家にご相談されることをおすすめします。また、簿記の参考書や問題集などを活用して、知識を定着させることも大切です。

    さあ、今日からあなたも減価償却マスターを目指しましょう!

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